鮮烈

希少な大胆さ

愁いを帯びた瞳とあふれる好奇心を持つ灰色のロバ、ＥＯ。心優しきパフォーマー、カサンドラのパートナーとしてサーカス団で生活していたが、ある日、連れ出されてしまう。予期せぬ放浪の旅のさなか、善人にも悪人にも出会い、運を災いに、絶望を思わぬ幸福に変えてしまう運命の歯車に耐えている。しかし、一瞬たりとも無邪気さを失うことはない。

現代の寓話✕無比の映像体験

イエジー・スコリモフスキ監督による、７年ぶりの新作の主人公は“ＥＯ（イーオー）”という名前のロバ。監督自身が「私が唯一、涙を流した映画」と語る、ロベール・ブレッソンの『バルタザールどこへ行く』にインスパイアされた本作。ポーランドからイタリアへ、我々観客はＥＯの旅を見守りつつも、ある時はＥＯの目線で予期せぬ荒波を潜り抜けることになる。人間のおかしさと愚かさを、全くの別視点から体感するような無比の映像体験には、“鮮烈” “近年の映画には希少な大胆さ”と、その革新性とオリジナリティに多くの称賛が寄せられている。サーカス団のパートナー、カサンドラの元を離れ、ポーランドのサッカーチーム、どこか影のある司祭、そして伯爵夫人らと出会うＥＯ。彼の目から見せる世界、そしてそこから我々に投げかけるものとは－。

第９５回アカデミー賞国際長編映画賞にノミネートされた注目作が日本公開決定！！